
私たちの脳には、老廃物の排出に関わる「グリンパティック・システム」という仕組みがあります。
いわば、「脳のお掃除システム」です。
では、この脳のお掃除がうまく働かなくなると、どうなるのでしょうか?
近年では、グリンパティック・システムと睡眠、脳脊髄液(CSF)、加齢、アルツハイマー病やパーキンソン病などとの関係が研究されています。
今回は、私たち祐気堂マッサージが長年大切にしてきた「背骨を整えること」から、温熱、鼻呼吸、睡眠、そして脳のお掃除までを一つの流れとして考えてみたいと思います。
私たちの原点は「背骨を大切にすること」
私たち夫婦は、長生学園を卒業し、長年マッサージ・指圧の仕事を続けてきました。
長生医学では、身体全体の健康を考えるうえで、背骨・脊柱の状態をとても大切にします。
背骨は、単に身体を支える柱ではありません。
姿勢や身体の動き、呼吸、筋肉の緊張など、全身の状態と深く関係しています。
私たちは長年、
「硬く動かない背骨より、しなやかで弾力のある背骨を保つことが健康につながる」
という考え方を施術の基本としてきました。
実際に多くの方の身体に触れていると、腰だけ、首だけが悪いのではなく、
- 背中全体が硬い
- 肩や首に力が入っている
- 呼吸が浅い
- 身体が冷えている
- よく眠れていない
という状態が重なっていることも少なくありません。
そのため祐気堂では、症状のある場所だけを見るのではなく、身体全体のつながりを大切にしています。
CSFプラクティスから学んだ「仙骨・背骨・後頭部」のつながり
その後、祐気堂ではCSFプラクティス(脳脊髄液調整法)も施術に取り入れていた時期があります。
CSFとは、Cerebrospinal Fluid、つまり脳脊髄液のことです。
この施術法を学んだことで、私の中では、
仙骨 → 背骨 → 首 → 後頭部
を一つのつながりとして見る意識が、より強くなりました。
ただし現在の医学では、手技や温熱によって脳脊髄液を直接「流す」「調整する」ことができると証明されているわけではありません。
ですから、祐気堂でも「施術によって脳脊髄液を流します」という説明はしていません。
現在私が大切だと考えているのは、脳脊髄液を直接動かそうとすることではなく、
身体を温め、緊張をゆるめ、呼吸しやすく、よく休める身体をつくることです。
現在は三井温熱で仙骨から背骨、後頭部へ
現在、祐気堂マッサージでは三井温熱療法を取り入れています。
その中で私が特に大切にしているのが、
仙骨
↓
腰・背中
↓
肩・首
↓
後頭部
という身体の後ろ側のつながりです。
三井温熱器で身体を温めながら、硬く緊張しているところを探していきます。
身体が温まり、背中や首まわりの緊張がゆるんでくると、
「息がしやすくなった」
「身体の力が抜けた」
「眠くなってきた」
と感じる方もいます。
これは、私たちが長生医学で学んできた「弾力のある背骨を大切にする」という考え方とも、とても自然につながります。
温める・ゆるめる・呼吸する・眠る
私は、これらを別々の健康法とは考えていません。
身体を温める
↓
筋肉の緊張がゆるむ
↓
背骨や胸郭が動きやすくなる
↓
呼吸がしやすくなる
↓
身体の力が抜ける
↓
リラックスしやすくなる
↓
よく眠れる身体を目指す
という一つの流れとして考えています。
特に大切なのが、呼吸と睡眠です。
背中や胸まわりが硬くなれば、呼吸も浅くなりやすくなります。
逆に、身体がゆるみ、鼻からゆっくり呼吸できるようになると、身体の力を抜きやすくなります。
睡眠中に働く「脳のお掃除システム」
ここでつながってくるのが、近年注目されているグリンパティック・システムです。
グリンパティック・システムは、脳脊髄液などが関係して、脳内の老廃物の排出に関わる仕組みです。
特に睡眠との関係が注目されています。
アルツハイマー病ではアミロイドβやタウ、パーキンソン病ではαシヌクレインというタンパク質が知られています。
こうした物質と、脳の老廃物排出システムとの関係についても研究が続けられています。
もちろん、
「グリンパティック・システムを良くすれば認知症を防げる」
と単純に言えるものではありません。
しかし、睡眠が単に身体を休ませる時間ではなく、脳の環境を整える大切な時間でもあることは、とても興味深いことです。
そして「鼻呼吸」につながります
ここで、祐気堂マッサージのブログで現在よく読まれている「ノーベル呼吸法」の記事につながります。
鼻や副鼻腔では一酸化窒素(NO)が作られています。
NOは血管の働きにも関係する重要な情報伝達物質です。
そして、鼻からゆっくり呼吸することは、特別な道具も必要なく、毎日行える健康習慣です。
ただし、
「鼻呼吸をすればグリンパティック・システムが活性化する」
「鼻呼吸で認知症を予防できる」
と断定することはできません。
祐気堂では、もっとシンプルに考えています。
鼻でゆっくり呼吸する
↓
身体の力を抜く
↓
リラックスする
↓
眠りやすい身体をつくる
↓
睡眠中に働く脳本来の仕組みを大切にする
という考え方です。
結論|脳のお掃除がうまく働かないとどうなる?
睡眠中には、脳の老廃物の排出に関わる 「グリンパティック・システム」が働いています。
この働きが低下すると、脳の中の老廃物や不要なタンパク質が 排出されにくくなると考えられています。
その状態が長く続けば、脳の健康や認知機能に 影響する可能性も研究されています。
反対に、グリンパティック・システムが働きやすい環境を整えることは、 将来の認知機能低下などの予防につながる可能性が期待されています。
大切なのは「よく眠れる身体」をつくること
では、脳のお掃除を助けるために私たちができることは何でしょうか。
その基本のひとつが、 質の良い睡眠をとることです。
そして、よく眠るためには、単に「長く寝る」だけではなく、 身体がリラックスして眠りに入りやすい状態をつくることも大切です。
背骨や背中の緊張をやわらげる
首・背中・腰がこわばり、身体に力が入った状態では、 リラックスして眠りに入りにくくなることがあります。
背骨やその周囲の筋肉をしなやかに保ち、 身体を楽に動かせる状態に整えることは、 呼吸しやすく、休みやすい身体づくりにもつながります。
ただし、「背骨を柔らかくすれば直接グリンパティック・システムが活性化する」 と証明されているわけではありません。 大切なのは、身体の緊張を減らし、良い睡眠につなげることです。
冷えをやわらげ、眠りに入りやすい体温変化をつくる
身体が冷えて手足まで冷たい状態では、 なかなか寝つけないという方も少なくありません。
入浴や温熱などで身体をいったん温めると、 その後、手足から熱が放散され、 身体の中心部の体温が自然に下がっていきます。
この「温まったあとに自然に体温が下がる流れ」が、 眠りに入りやすい状態をつくると考えられています。
背骨・温熱・呼吸・睡眠をひとつの流れとして考える
祐気堂マッサージでは、 背骨のしなやかさ、身体を温めること、楽な呼吸、そして良い睡眠を 別々のものではなく、つながったものとして考えています。
身体の緊張をやわらげ、温まり、呼吸が楽になり、よく眠る。
その毎日の積み重ねが、 睡眠中に働く脳のお掃除システムを健やかに保つことにも つながっていく可能性があります。
よく眠ることは、毎晩、脳のお掃除を助ける時間。
長生医学から三井温熱、そして現在へ
振り返ってみると、
長生医学で学んだ
「背骨を大切にする」という考え方。
CSFプラクティスで学んだ
「仙骨・背骨・後頭部を一つのつながりとして見る」という考え方。
そして現在の三井温熱療法による
「身体を温め、ゆるめる」という施術。
これらは私の中では、すべて一本につながっています。
そして、そこに現在学んでいる
鼻呼吸・睡眠・グリンパティック・システム
という新しい知識が加わってきました。
昔学んだ施術理論と、現在の医学研究を同じものとして考える必要はありません。
しかし、
「身体を部分だけではなく、全体のつながりとして見る」
という考え方は、これからも大切にしていきたいと思っています。
祐気堂が大切にしていること
祐気堂マッサージでは、
温かく、柔らかく、弾力のある身体
を一つの目標にしています。
身体を温める。
背骨や筋肉をゆるめる。
鼻からゆっくり呼吸する。
そして、よく眠る。
特別に難しい健康法ではありません。
しかし、このような毎日の積み重ねこそ、身体と脳を大切にする基本なのではないでしょうか。
脳を使うことと同じくらい、脳を休ませることも大切です。
今夜は少しだけ、鼻からゆっくり呼吸して、身体の力を抜いて眠ってみてください。
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※この記事は一般的な健康情報の提供を目的としています。三井温熱療法、マッサージ、呼吸法などによって認知症・アルツハイマー病・パーキンソン病を予防・治療できるという意味ではありません。治療中の病気がある方は、医師による診断・治療を優先してください。
































