令和の真向法 第5弾|痛い方向を無理に伸ばさない|反対の動きで身体をゆるめる
痛い・動きにくい方向を無理に伸ばさず、反対の楽な動きを使って身体をゆるめる考え方を解説します。

こんにちは。祐気堂マッサージです。

「身体が硬いから、硬い方向へもっと伸ばさなくては」

ストレッチというと、そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

ところが、痛みや強い動きにくさがある方向へ無理に動かそうとすると、身体がかえって力んでしまうことがあります。

そこで今回の「令和の真向法 第5弾」では、少し発想を変えてみます。

痛い方向を無理に伸ばすのではなく、反対の楽な動きを使って身体をゆるめる。

これは私が30年以上続けてきた操体法にも通じる、とても大切な考え方です。

痛い筋肉が分からなくても「痛い動き」は分かる

身体のどの筋肉が悪いのか、自分で正確に判断するのは簡単ではありません。

でも、

「こちらへ動くと痛い」
「こちらは動きにくい」

ということなら、自分でも感じることができます。

そこで私は、こう考えています。

痛い筋肉が分からなくても、痛い動きが分かればいい。
その反対の動きを、やさしく使ってみる。

身体には、反対側の筋肉が働くと、一方の筋肉がゆるみやすくなる仕組みがあります。

反対の筋肉を使うと、なぜゆるみやすいのか?

分かりやすい例が、腕の上腕二頭筋と上腕三頭筋です。

肘を曲げるときには、主に上腕二頭筋が働きます。

反対に、肘を伸ばすときには上腕三頭筋が働きます。

このように、ある筋肉が働くときに反対側の筋肉の働きが抑えられる神経の仕組みを、「相反抑制(相反性抑制)」と呼びます。

つまり、反対側の筋肉をやさしく使うことで、力が入り続けていた筋肉がゆるみやすくなることがあるのです。

上腕二頭筋と上腕三頭筋の相反抑制|反対の筋肉を使うと筋肉がゆるみやすくなる仕組み
反対側の筋肉を使うことで、一方の筋肉がゆるみやすくなる「相反抑制」

操体法も「つらい方向へ無理をしない」

操体法では、動きにくい方向へ力ずくで動かすのではありません。

左右や前後へ身体を動かしてみて、

「こちらはつらい」
「こちらは少し楽」

という違いを感じます。

そして、楽に動ける方向を利用して身体全体のバランスを整えていきます。

人間は熱いものに触れれば、考えるより先に手を引きます。

痛い、不快、熱い――。

こうした感覚から身体を守ろうとする反応は、とても自然なものです。

反対に、身体が楽に動ける方向には、その人なりの「動ける道」があります。

身体を無理に動かすのではなく、身体が動ける道をつくる。

これが、令和の真向法で大切にしたい考え方です。

真向法の前に30秒「膝倒し」をしてみましょう

それでは、とても簡単な方法を試してみましょう。

真向法を始める前に、仰向けになって30秒ほど膝倒しを行います。

真向法の前に30秒|仰向けで左右に膝を倒して楽な方向を確認する準備運動
真向法の前に左右へ膝を倒し、身体の動きやすさを確認します。

① 仰向けで両膝を立てる

力を抜いて仰向けになり、両膝を立てます。

② ゆっくり右へ倒す

痛みを我慢せず、動かせるところまでで構いません。

③ ゆっくり左へ倒す

左右を比べてみてください。

「右のほうが楽」
「左は少し引っかかる」

そんな違いがあれば十分です。

④ 楽な方向へ2~3回やさしく動く

動きやすい側へ、呼吸を止めずにゆっくり2~3回動いてみます。

大きく倒す必要はありません。

そのあと、もう一度左右へ膝を倒して比べてみます。

先ほどよりほんの少し楽なら、それでOKです。

「痛い方を伸ばす」のではなく「楽な方から戻ってみる」

ここが今回、一番お伝えしたいところです。

動きにくい方向を何度も無理に伸ばす必要はありません。

一度、楽な方向へ身体を動かしてから、もう一度動きにくかった方向を確認してみる。

すると、先ほどより少しだけ動きやすく感じることがあります。

膝倒しのような全身運動では、単純に相反抑制だけで説明できるわけではありません。

筋肉だけでなく、呼吸、骨盤や背骨の動き、身体の力みなど、いろいろな要素が関係します。

だからこそ、細かい理屈よりも、まずは

「始める前より楽になったかな?」

と身体に聞いてみてください。

そのあとに真向法を行ってみる

膝倒しが終わったら、いつもの真向法を行ってみましょう。

ここでも大切なのは、完成形を目指して無理に身体を押し込まないことです。

前屈が深くできるかどうかよりも、

「先ほどより少し力が抜けた」
「少しだけ前へ行きやすい」
「呼吸がしやすい」

そんな小さな変化を探してみてください。

目標は「奇跡の自分の1ミリ」

私は以前、治療家の先輩からこんな話を聞いたことがあります。

慢性的な痛みで苦しんでいる人にとって、可動域がほんの1ミリ変わることが、どれほど大きな意味を持つか。

その言葉が今でも心に残っています。

ですから令和の真向法では、無理に柔らかくなることを目標にしません。

始める前より、ほんの1ミリ楽に動けた。

それで十分です。

私はこれを「奇跡の自分の1ミリ」と考えています。

まとめ|身体とケンカをしない

今回のポイントは、とてもシンプルです。

  • 痛い方向へ無理に伸ばさない
  • 左右の動きを比べてみる
  • 楽に動ける方向を見つける
  • 反対の動きをやさしく使う
  • もう一度動きを確認する
  • 1ミリでも楽なら、それを変化として大切にする

身体は、いつも力ずくで変える必要はありません。

身体とケンカをするのではなく、身体が動きやすい道を一緒に探していく。

それが、私の考える「令和の真向法」です。

ぜひ真向法の前に30秒、膝倒しを試してみてください。

痛みが強い場合、鋭い痛みが出る場合、しびれが増える場合は無理に続けず中止してください。

祐気堂マッサージでは、あん摩・マッサージ・指圧と操体法などを組み合わせながら、その方の身体に合わせた施術を行っています。

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