開脚前屈は、骨盤から|無理に脚を広げない「令和の真向法」第8弾-4
開脚前屈は、骨盤から。深く倒すことよりも、股関節からやさしく動く感覚を大切にしましょう。

「脚を開いて前に倒れようとしても、身体が動かない」
「内ももが突っ張って、背中ばかり丸くなる」

開脚前屈で、このように感じたことはありませんか?

そんなときは、もっと脚を広げたり、手を遠くへ伸ばしたりする前に、骨盤から動く準備をしてみましょう。

今回の「令和の真向法 第8弾-4」は、開脚前屈です。床に胸をつけることを目標にせず、今の自分が楽に動ける範囲を探していきます。

開脚前屈は「脚の広さ」より「動きやすさ」から

開脚前屈というと、脚を大きく開き、上体を深く倒す姿を思い浮かべるかもしれません。

でも、最初からその形を目指す必要はありません。

脚を広げすぎると、内ももが強く張り、上体を起こして座るだけでも大変になります。そのまま前に倒れようとすると、肩や首にも力が入りやすくなります。

まずは、呼吸が楽にできて、上体を少し動かせる脚の幅を見つけましょう。膝も、無理に伸ばしきらなくて大丈夫です。

まずは今の動きを確かめましょう

準備運動の前に、一度だけ軽く試してみます。

  1. 床に座り、無理のない幅に脚を開きます。
  2. 両手を身体の前の床に置きます。
  3. 楽に息を吐きながら、上体をほんの少し前へ傾けます。
  4. 張りを強く感じる手前で止め、ゆっくり戻ります。

このとき、「どこまで倒れたか」だけでなく、次のことも覚えておきましょう。

  • 上体を起こして座りやすいか
  • 内ももや脚の後ろの、どのあたりが張るか
  • 左右で感じ方に違いがあるか
  • 肩や首に力が入っていないか

これは頑張るための検査ではなく、あとで自分の変化を確かめるための目印です。

準備① お尻の下にタオルを敷く

床に座ると腰が丸まり、身体が後ろへ倒れそうになる方は、お尻の下に折りたたんだタオルを敷いてみましょう。

折りたたんだタオルをお尻の下に敷き、脚を左右に開いて座る男性。右上にタオルの位置を示す拡大図。
お尻の下にタオルを敷き、楽に座れる高さに調整します。脚は無理に大きく開かなくて大丈夫です。
  1. タオルを薄く折りたたみ、お尻の下に敷きます。
  2. 脚は、内ももが強く張らない幅に開きます。
  3. 必要なら膝を少し曲げます。
  4. 両手を太ももや床に添えて、楽に座れる位置を探します。

タオルの高さは、腰を反らせるためではなく、座りやすくするために調整します。

敷いても窮屈に感じる場合は、脚の幅を狭めたり、膝をもう少し緩めたりしてください。床に座ること自体がつらい方は、次の椅子での練習だけでも構いません。

準備② 椅子で「股関節から動く」感覚をつかむ

床での動きが分かりにくいときは、椅子に座って練習してみましょう。

意識するのは、頭だけを下げることではなく、脚の付け根から、骨盤と上体を一緒に前へ傾けることです。

椅子に座った男性が、上体を起こした姿勢と、両手を太ももに添えて前に傾けた姿勢を左右に並べたイラスト。
椅子に座り、股関節から上体を少し前へ。深く倒すよりも、骨盤と上体が一緒に動く感覚を確かめましょう。
  1. 滑らず、ぐらつかない椅子に座ります。
  2. 両足を無理のない幅に開き、足裏を床につけます。
  3. 両手を太ももに添えます。
  4. 楽に息を吐きながら、脚の付け根から上体を少し前へ傾けます。
  5. 息を自然に吸いながら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。

まずは小さな動きで、3回ほど試してみましょう。回数よりも、力まずに動けることを大切にします。

背中を棒のように固める必要はありません。胸を張りすぎず、腰も反らせすぎず、自分が楽に動ける範囲で行ってください。

開脚前屈の前に、骨盤を前後に動かしてみましょう

開脚前屈では、上半身を倒す前に、骨盤を前後に動かす感覚を確かめてみましょう。動きは小さくてかまいません。無理のない脚の幅で行います。

開脚して座り、骨盤を前後に動かす準備運動
開脚して座り、骨盤をゆっくり前後に動かします。

骨盤を前後に動かす方法

  1. 無理のない幅に脚を開いて座ります。膝は少し曲がっていてもかまいません。
  2. 両手を太ももに置き、背すじを楽に伸ばします。
  3. 息を吸いながら、骨盤を小さく前に傾けます。胸を軽く起こします。
  4. 息を吐きながら、骨盤を少し後ろに傾けます。背中やお腹の力をゆるめます。
  5. 前後の動きを、ゆっくり5〜8回ほど繰り返します。
骨盤を前に傾けた姿勢と後ろに傾けた姿勢
息を吸いながら骨盤を前へ、吐きながら骨盤を後ろへ動かすイメージです。

呼吸と腹圧の関係

腹圧は、お腹を強く固めることではありません。腰まわりを支えるために、お腹全体に軽い張りを保つイメージです。お腹を固めたまま息を止めるのではなく、軽い支えを残しながら、自然に呼吸を続けましょう。

骨盤を前に傾けるときは息を吸い、後ろに傾けるときは息を吐きます。息を吐くときにお腹を強くへこませたり、いきんだりする必要はありません。呼吸に合わせて、お腹まわりがやわらかく動くのを感じてください。

そのあと、骨盤を前に傾ける意識を持ちながら、無理のない範囲で開脚前屈をしてみましょう。脚を無理に広げたり、勢いをつけたりせず、腰や股関節に痛みが出た場合は中止してください。

実践 タオルを使って、やさしく開脚前屈

椅子で動く感覚がつかめたら、床で試してみましょう。

  1. お尻の下にタオルを敷き、楽な幅に脚を開きます。
  2. 膝は必要に応じて少し曲げ、足首も力ませません。
  3. 両手を身体の前の床に置きます。
  4. 楽に息を吐きながら、骨盤と上体を少しだけ前へ傾けます。
  5. 手で身体を引っ張らず、動けるところで止めます。
  6. ゆっくり上体を戻し、ひと息休みます。

これを2〜3回、気持ちよく動ける範囲で行います。

手を遠くへ伸ばすことよりも、脚の付け根で小さくお辞儀をする感覚を探してみてください。

前へ傾く幅がほんの少しでも構いません。動きが窮屈なら、脚の幅を狭めてやり直しましょう。

呼吸を、動きの案内役にしましょう

今回は、呼吸も動きに合わせてみましょう。

  • 前へ傾けるとき:楽に、ゆっくり息を吐く
  • 戻るとき:自然に息を吸う

大きく吸おうとしたり、最後まで吐ききろうとしたりする必要はありません。普段より少しゆったりした呼吸を目安にします。

一呼吸で動きにくい場合は、途中で自然に呼吸して大丈夫です。呼吸の長さに身体を無理に合わせず、楽なリズムを探してください。

もう一度、最初の動きと比べてみましょう

終わったら、最初と同じ脚の幅、同じタオルの条件で、軽く前屈してみます。

  • 座っている姿勢が少し楽になった
  • 前へ動き始めやすくなった
  • 内ももの張り方が変わった
  • 肩や首の力を抜きやすくなった
  • 呼吸をしながら動けた

深さだけでなく、このような変化も確かめてみましょう。

変化がない日もあります。その日に深く倒れなくても、繰り返し頑張って取り戻そうとする必要はありません。

無理をしないためのポイント

  • 反動をつけたり、他の人に背中を押してもらったりしない
  • 脚を大きく開くことや、膝を伸ばしきることにこだわらない
  • 痛みやしびれが出る動きは続けない
  • 床からの立ち座りが不安な方は、椅子での練習を選ぶ

股関節や腰に治療中の病気がある方、手術後で動作の制限がある方は、担当の医師や理学療法士に実施できる範囲を確認してください。胸の痛み、めまい、普段と違う息苦しさが出たときは中止しましょう。

自分の「動ける一歩」を大切に

令和の真向法で大切にしているのは、完成した形をまねることだけではありません。

座りやすい条件を整え、呼吸に合わせて小さく動き、自分の身体の反応を確かめる。

その積み重ねを大切にしたいと考えています。

今回の開脚前屈も、脚を広げる前にタオルで座りやすくし、椅子で骨盤から動く感覚をつかむところから始めてみてください。

今日の自分にとって、無理なく動ける「小さな一歩」が見つかれば十分です。


前回の記事はこちら

長座での骨盤の動きを振り返りたい方は、前回の記事もご覧ください。

令和の真向法 第8弾-3|骨盤から始める長座前屈


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