ノーベル呼吸法 第2弾|運動が難しい方へ 温熱療法と血流・NO(一酸化窒素)
運動が難しい方へ。温熱療法と血流、一酸化窒素(NO)の関係を解説します。

ノーベル呼吸法 第2弾|運動が難しい方へ 温熱療法と血流・NO

千歳船橋駅30秒祐気堂マッサージ院長御木です。

「血流を整えるには運動が大切」と聞いても、病気や体力の低下、関節の痛みなどで、思うように身体を動かせない方もいらっしゃいます。

そんな方に知っていただきたいのが、身体を温めることと、皮膚の血流との関係です。この記事では、一酸化窒素(NO)について、1998年のノーベル生理学・医学賞の研究を交えながら、温熱療法との関係をやさしく解説します。

ただし、温熱療法は運動の代わりになるものでも、病気を治すものでもありません。体調や持病に合わせて、安全に取り入れることが大切です。

運動が難しいときの身体のケアについて、温熱療法と血流・NOの関係から考えます。

1998年のノーベル生理学・医学賞とは

1998年のノーベル生理学・医学賞は、ロバート・ファーチゴット、ルイ・イグナロ、フェリド・ムラドの3氏に授与されました。

受賞理由は、一酸化窒素(NO)が心血管系で「シグナル分子」として働くことに関する発見です。研究によって、NOが血管の内側にある細胞から作られ、血管の筋肉に信号を伝えて血管を広げる仕組みが明らかになりました。

賞の対象となったのは「呼吸法」そのものではなく、NOが心臓や血管の働きを調節する信号として働くことを明らかにした研究です。詳しくはノーベル賞公式ページをご覧ください。

 

一酸化窒素(NO)は何をしているのでしょう

一酸化窒素(NO)は、体内で作られる小さな信号物質です。血管の内側にある細胞などで作られ、血管の壁にある筋肉へ信号を伝えます。

その信号を受けると血管の筋肉がゆるみ、血管が広がりやすくなります。NOは血圧や血流の調節に関わるため、血管の働きを考えるうえで大切な物質です。

NOの量や働きは、年齢、健康状態、生活習慣などによって変化します。「NOを増やせば病気が治る」と単純に考えるのではなく、身体の仕組みの一つとして理解することが大切です。

運動とNO、血流の関係

歩行や体操などで筋肉を動かすと、筋肉への血流が増えます。血流の変化や血管への刺激は、血管内皮の働きにも関係しています。無理のない身体活動を続けることは、血管や筋肉の健康を保つ生活習慣の一つです。

一方で、体調や病気、痛み、体力の低下などにより、運動が難しい方もいます。その場合は、まず主治医に相談し、できる範囲の動きや日常生活の工夫を考えていきましょう。

温めると皮膚の血流はどうなるのでしょう

皮膚を局所的に温めると、その部分の血管が広がり、皮膚の血流が増えることがあります。温熱による皮膚血流の変化には複数の仕組みが関わり、持続する温熱時の反応にはNOが関係する場合も報告されています。詳しくは皮膚血流と温度に関する研究レビューをご覧ください。

温熱療法と血流、一酸化窒素(NO)の関係を表したイラスト
温熱による局所の皮膚血流の変化には、複数の仕組みが関わります。

ただし、局所を温めたときの皮膚血流の変化が、全身の血流改善や病気の予防・治療にそのまま結びつくとは限りません。また、特定の温熱器によるケアがNOを増やしたり、血管の病気を改善したりすると断定することもできません。

温熱療法は、心地よさや身体を温めるケアの一つとして、体調に合わせて利用するものです。運動や医療の代わりではなく、日々の健康管理の中で安全に取り入れましょう。

運動が難しい方が温熱療法を取り入れるとき

身体を温めると、こわばりがやわらいだように感じたり、ほっとしたりすることがあります。温めた後に、無理のない範囲で手足を動かす、ゆっくり呼吸する、姿勢を変えるなど、できることを組み合わせる方法もあります。

身体を無理なく温めながら、できる範囲のケアを行うイメージ
温熱ケアを取り入れるときも、体調に合わせて無理のない範囲で行いましょう。

大切なのは、「温めれば運動しなくてもよい」と考えないことです。座ったままできる足首の曲げ伸ばしや、手の開閉など、ごく小さな動きでも、身体の状態に合わせて取り入れられる場合があります。運動制限がある方は、主治医や医療専門職に確認してください。

温熱療法を安全に行うための注意点

  • 熱さを我慢せず、気持ちよいと感じる範囲にします。
  • 同じ場所に長時間当て続けないようにします。
  • 使用中は皮膚の赤みや痛み、違和感を確認します。
  • 糖尿病などで感覚が鈍くなっている方は、熱さに気づきにくく、低温やけどに注意が必要です。使用前に医師へ相談し、皮膚の状態をこまめに確認してください。
  • 発熱、炎症、体調不良があるときや、温めることで症状が悪化する場合は使用を中止します。
  • 心臓や血管の病気などで治療中の方は、温熱の方法や範囲について主治医に相談してください。

まとめ|できる方法を、無理のない範囲で

1998年のノーベル生理学・医学賞では、一酸化窒素(NO)が心血管系のシグナル分子として働くことに関する研究が評価されました。NOは血管の働きに関わる重要な物質です。

身体を温めると、温めた部分の皮膚血流が変化することがあり、その仕組みの一部にNOが関わる場合もあります。しかし、温熱療法による全身の血流改善や病気への効果が確立しているという意味ではありません。

運動が難しいときも、主治医に相談しながら、身体を温めるケアや小さな動きなど、自分に合った方法を探していきましょう。無理をせず、安全を第一に続けることが大切です。

祐気堂マッサージでは、体調やご希望を伺いながら、温熱療法を含めた身体のケアをご案内しています。ご不安な点がある方は、事前にご相談ください。

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