
こんにちは。
小田急線千歳船橋駅から徒歩約30秒、祐気堂マッサージ院長の御木です。
「身体が硬くなって、靴下を履くのが大変になった」
「床に座ると腰や股関節がつらい」
「年齢とともに歩幅が小さくなった気がする」
このような身体の変化を感じている方は、少なくないのではないでしょうか。
身体を無理なく動かし続けるためには、筋力だけでなく、股関節や骨盤まわりの柔軟性も大切です。
今回から、日本で生まれた健康体操の一つである「真向法(まっこうほう)」についてご紹介します。
真向法は、わずか4つの基本体操で構成されています。動きの数は少ないのですが、股関節を中心に、内もも、もも裏、お尻、腰、ももの前側など、下半身を幅広く動かせるのが特徴です。
真向法とは?
真向法は、床に座って行う4つの体操を中心とした、日本生まれの健康法です。
基本となるのは、次の4つの動きです。
- 足の裏を合わせ、股関節から上体を前へ倒す
- 両脚を前に伸ばし、股関節から上体を倒す
- 両脚を左右に開いて、上体を前へ倒す
- 割り座に近い姿勢から、上体をゆっくり後ろへ倒す
単に深く前屈することだけを目的とした体操ではありません。
腰を立て、股関節を軸にして身体を動かします。呼吸に合わせてゆっくり上体を倒し、その後は元の姿勢まで戻ることも大切です。

第1体操・合蹠前屈
足の裏同士を合わせて座り、股関節から上体を前へ倒します。
主に股関節、内もも、お尻、骨盤まわりを動かします。
第2体操・長座前屈
両脚をそろえて前へ伸ばし、足首を立てて上体を前へ倒します。
主にももの裏、ふくらはぎ、腰から背中にかけてを動かします。
第3体操・開脚前屈
両脚を左右に開き、股関節から上体を前へ倒します。
主に内もも、ももの裏、股関節、骨盤まわりを動かします。
第4体操・割り座後屈
足を開いた正座に近い姿勢から、上体をゆっくり後ろへ倒します。
主にももの前側、股関節の前側、足首などを伸ばします。
第4体操は、膝や腰に負担がかかることがあります。最初から仰向けになろうとせず、手を後ろについて少し身体を傾ける程度から始めましょう。
「真向法」という名前の意味
「真向法」という名前を初めて見ると、宗教的なものを想像する方もいるかもしれません。
しかし、現在の真向法は、健康体操として全国に普及しています。
「真向」という言葉には、物事に真っ向から取り組むことや、人生を前向きに生きるという意味が込められているそうです。
身体を整えるだけでなく、健康な身体で自分の人生と向き合うという考え方が、その名前に表れています。
真向法はどのように生まれたのか
真向法は、昭和8年(1933年)に長井津(ながい・わたる)氏によって創案されました。
長井氏は福井県のお寺に生まれ、後に上京して実業の世界で成功した人物です。
しかし、42歳の時に脳溢血で倒れ、身体に不自由が残ったと伝えられています。
失意のなかで仏典を読み始めた長井氏は、仏弟子が腰を深く折って礼拝する姿に注目しました。
そして、自分の身体も硬くなっていることに気づき、腰を立てて丁寧にお辞儀をするような運動を続けました。これが、真向法の原型になったとされています。
身体の動きが少しずつ回復した自身の経験をもとに、誰にでも取り組める健康法としてまとめ、普及に努めました。
真向法は、最初から医学理論をもとに作られたものではありません。
一人の人が自分の身体と向き合い、毎日の実践から生み出した健康法なのです。
私と真向法との出会い
私が真向法を知ったのは、あん摩マッサージ指圧師の学校へ通う前のことです。
当時、私は整体の学校で、身体の見方や施術方法を学んでいました。
そこで知り合った友人が、横浜のカルチャーセンターで真向法を指導していたのです。
その友人は、ただ完成した姿勢を目指すのではなく、最初に真向法のポーズを取ってもらい、次のような点を確認していました。
- どの動きがしにくいのか
- 身体のどこが緊張しているのか
- 左右で動きに違いがあるか
そして自宅では、真向法のポーズを取りにくくしているところを中心に、全身を緩める整体を行っていました。
施術後には、施術前に行ったポーズをもう一度取ってもらいます。
前よりも楽に座れるようになったか。股関節が開きやすくなったか。無理なく身体を前へ倒せるようになったか。
真向法のポーズを施術前後に行い、身体の動きがどのように変化したかを確認していたのです。

私は、横浜のカルチャーセンターで行われていた教室も見学しました。
そこでは参加者が二人一組になり、お互いの全身を無理なく緩める整体も学んでいました。
真向法を単なる柔軟体操として行うだけでなく、身体を緩め、ポーズを取りやすくするところまで指導していたことが、特に印象に残っています。
この経験から私は、真向法のポーズは「できる・できない」を競うものではなく、その日の身体の状態に気づくための方法にもなると考えるようになりました。
深く曲げることより、身体の変化を確かめる
真向法の写真を見ると、額や胸が床につくほど深く前屈している人がいます。
しかし、最初から同じ形を目指す必要はありません。
身体が硬い状態で無理に前屈すると、腰を丸めすぎたり、内ももやももの裏を痛めたりすることがあります。
体操の前後で、次のような変化を感じてみましょう。
- 先ほどより楽に動けるか
- 呼吸がしやすくなったか
- 腰や股関節の力みが減ったか
- 左右の違いが小さくなったか
- 無理なく姿勢を保てるか
真向法協会では、体操を行う時の注意として、「無理をしない」「反動や力みを使わない」「曲げる時に息を吐く」「腰を立てて股関節から動く」ことなどを挙げています。
「どこまで曲がったか」よりも、呼吸を止めず、気持ちよく動けたかを大切にしましょう。
参考:公益社団法人真向法協会「真向法を行う上での四つの注意点」
真向法にはどのような効果が期待できる?
真向法を習慣として続ける目的には、次のようなものが考えられます。
- 股関節や下半身を動かす習慣を作る
- 内ももやもも裏などの柔軟性を保つ
- 骨盤を起こして座る感覚を身につける
- 呼吸に合わせてゆっくり身体を動かす
- 自分の左右差や硬い場所に気づく
- 日常の運動不足を補う
ただし、「真向法をすれば病気が治る」「骨盤のゆがみが必ず治る」「特定の内臓が良くなる」などと断定することはできません。
真向法そのものを対象にした医学研究は、まだ十分とはいえません。
病気の治療の代わりではなく、自分の身体を無理なく動かし、その日の状態を確かめるための健康習慣として取り入れるのがよいでしょう。
真向法を経絡の流れから見てみる
真向法の4つの体操は、筋肉や関節の動きだけでなく、東洋医学の「経絡」という考え方から見ることもできます。
例えば、脚の外側には胆経、身体の背面には膀胱経、脚の内側には肝経や脾経、身体の前面には胃経が通ると考えられています。
真向法で伸ばされる場所と経絡の通り道を重ねて考えると、身体を別の視点から観察できます。
ただし、経絡は東洋医学独自の身体観であり、筋肉、神経、血管と同じものではありません。また、体操によって特定の経絡や内臓の病気が治るという意味でもありません。
今後の記事では、4つの体操について、次の3つの視点から一つずつご紹介します。
- どの筋肉や関節が関係するのか
- 東洋医学ではどの経絡と関連づけて考えられるのか
- 三井温熱器でどこを温めると姿勢を作りやすいか
身体が硬くてポーズを作れない時は
「最初の座り方ができない」
「股関節が硬くて膝が高く上がってしまう」
「前屈する前から腰がつらい」
このような方は、無理に完成した姿勢を作る必要はありません。
お尻の下に折り畳んだタオルや座布団を入れ、骨盤を少し高くすると、腰を立てやすくなります。膝が不安定な場合は、膝の下にクッションを入れる方法もあります。
また、身体を温めてから行うと、冷えた状態よりも動きやすく感じる場合があります。
私が以前見学した方法では、整体で全身を緩めてから真向法を行い、施術前後の変化を確認していました。
そこで次回は、整体の代わりに自分でも取り組める方法として、「第1体操の姿勢を作りやすくするために、三井温熱器でどこを温めるか」をご紹介します。
まとめ
真向法は、昭和8年に日本で生まれた、4つの動作から構成される健康体操です。
股関節と骨盤を中心に、内もも、もも裏、お尻、腰、ももの前側などを動かします。
大切なのは、完成した形を無理にまねることではありません。
呼吸を止めず、その日の身体の状態を感じながら、気持ちよい範囲で続けることです。
真向法のポーズを完成させるためではなく、身体の状態を知り、体操や施術の前後で変化を確かめる。
これが、私が真向法との出会いから学んだ大切な視点です。
身体の硬さや動かしにくさでお困りの方へ
祐気堂マッサージでは、国家資格者が身体の状態を確認し、マッサージ、操体法、温熱などを組み合わせて施術しています。
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小田急線千歳船橋駅から徒歩約30秒































