
目次
私が毛細血管に興味を持ったきっかけ
こんにちは。
千歳船橋駅徒歩30秒、祐気堂マッサージです。
約20年前、私は心筋梗塞と診断されました。
病院ではカテーテル手術を勧められましたが、当時の私は手術に対する不安があり、
「手術以外に、自分でできることはないだろうか」
と考え、西式健康法を取り入れている病院を訪ね、生活指導を受けました。
そのときに教わったのが、「毛管運動」でした。
毛管運動とは、仰向けに寝て両手・両足を上に伸ばし、小刻みにブルブルと揺らす運動です。
当時は、
「手足の毛細血管の働きを助ける運動です」
と説明を受け、一生懸命続けたことを今でもよく覚えています。
その経験が、私が血流や毛細血管の大切さに関心を持つようになった原点の一つです。
毛細血管は身体のすみずみにある「命のネットワーク」
血管というと、動脈や静脈のような太い血管を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、私たちの身体の中で最も細く、細胞のすぐ近くまで伸びているのが毛細血管です。
毛細血管は、
- 酸素を細胞へ届ける
- 食事から得た栄養を運ぶ
- 二酸化炭素や老廃物を回収する
- 体温の調節を助ける
といった大切な仕事をしています。
大きな血管を「高速道路」に例えるなら、毛細血管は一軒一軒の家の前まで荷物を届ける「細い生活道路」のような存在です。
太い道路があっても、最後の細い道が通れなければ、酸素や栄養は細胞まで届きません。
内臓にも毛細血管はあるのでしょうか?
もちろん、内臓にもたくさんの毛細血管があります。
例えば、
- 心臓には、心筋へ酸素を届ける毛細血管
- 脳には、神経細胞へ酸素と栄養を届ける毛細血管
- 肺には、酸素と二酸化炭素を交換する毛細血管
- 腎臓には、血液をろ過するための毛細血管
- 肝臓には、栄養や老廃物を処理するための細かな血管
が張り巡らされています。
つまり、毛細血管は手足だけにあるものではなく、内臓の働きを支えるうえでも欠かせない存在です。
年齢とともに増える「ゴースト血管」とは?
年齢や運動不足、生活習慣の影響などにより、毛細血管の中を血液が流れにくくなることがあります。
血液の流れが少なくなり、十分に働けなくなった毛細血管は、一般に「ゴースト血管」と呼ばれることがあります。
毛細血管の働きが低下すると、
- 手足が冷えやすくなる
- むくみやすくなる
- 疲れが取れにくくなる
- 皮膚の血色が悪くなる
- 傷の回復が遅くなる
- 筋肉や内臓に酸素や栄養が届きにくくなる
といった変化につながる可能性があります。
ただし、「ゴースト血管」という言葉は一般向けの表現であり、毛細血管が完全に消えたという意味だけではありません。
血液が流れにくくなり、十分に働けていない状態を分かりやすく表した言葉として使われています。
温めると毛細血管は増えるのでしょうか?
身体を温めると、まず血管が広がり、血流が増えやすくなります。
血流が増えることで、血管の内側にある血管内皮細胞が刺激され、血管を広げる働きを持つ一酸化窒素(NO)が作られやすくなります。
さらに、継続的な温熱刺激によって、血管の成長に関わる因子が働き、毛細血管の密度や働きが改善したとする研究も報告されています。
ただし、
「一度温めれば、すぐに毛細血管が増える」
という単純なものではありません。
温熱を継続することや、適度な運動、栄養、睡眠などを組み合わせることで、毛細血管が働きやすい環境を整えることが大切です。
そのため、ブログでは、
「温めることで血流が良くなり、毛細血管の働きが改善したり、継続的な温熱によって毛細血管が増える可能性が報告されています」
と表現するのが適切だと考えています。
毛管運動でゴースト血管は復活する?
毛管運動は、手足を心臓より高い位置に上げ、小刻みに揺らす健康法です。
この動きによって、手足の血液やリンパ液が心臓へ戻りやすくなり、末梢の循環を助ける可能性があります。
血液が流れにくくなっていた毛細血管に再び血液が流れるようになれば、休んでいた血管の働きが戻る可能性は考えられます。
一方で、
「毛管運動だけでゴースト血管が必ず復活する」
「手足の毛細血管が増えれば、内臓の毛細血管も必ず増える」
と断定できるほどの医学的根拠は、現時点では十分とはいえません。
それでも、手足を動かし、全身の血流を促すことは、心臓や内臓を含めた全身の循環を支えるうえで意味のある習慣だと考えられます。
昔の健康法と現代医学がつながってきた
約20年前、私は西式健康法の病院で、毛管運動を教わりました。
当時は、なぜ手足を上げて揺らすことが毛細血管に良いのか、十分には理解できていませんでした。
しかし今、一酸化窒素(NO)や血管内皮、温熱療法、毛細血管について学ぶ中で、
「血流を良くし、身体のすみずみまで酸素と栄養を届けることが大切」
という考え方は、昔から変わらないのだと感じています。
昔から伝えられてきた健康法のすべてが、現代医学で証明されているわけではありません。
しかし、その中には、現在の血流や血管の研究につながる知恵も含まれているのではないでしょうか。
祐気堂マッサージで大切にしていること
祐気堂マッサージでは、三井温熱療法とマッサージを組み合わせ、身体を無理なく温めながら筋肉をやわらげ、血流を促す施術を行っています。
私たちが目指しているのは、
「温かく・柔らかく・血色の良い身体へ。」
という健康づくりです。
赤ちゃんの身体は温かく、柔らかく、血色が良いものです。
一方、年齢を重ねると、身体は少しずつ冷たく、硬く、血色も悪くなりやすくなります。
身体を温め、筋肉をやわらげ、毛細血管まで血液が流れやすい状態を整えることは、健康寿命を支える大切な習慣だと考えています。
毎日の生活で毛細血管を守るために
毛細血管を元気に保つためには、一つの方法だけに頼るのではなく、毎日の生活全体を整えることが大切です。
- 身体を冷やさない
- 湯船につかり、無理のない範囲で温まる
- ウォーキングなどの軽い運動を続ける
- 長時間同じ姿勢を避ける
- 深い呼吸や鼻呼吸を意識する
- 野菜やたんぱく質をバランスよく取る
- 十分な睡眠を心がける
- 喫煙を避け、血糖や血圧を管理する
短期間で大きく変えようとするより、無理のない習慣を毎日続けることが、毛細血管を守る近道です。
まとめ
毛細血管は、身体のすみずみまで酸素と栄養を届ける「命のネットワーク」です。
手足だけでなく、心臓、脳、肺、腎臓、肝臓など、すべての内臓にも毛細血管があります。
身体を温めることで血流が良くなり、一酸化窒素(NO)が働きやすくなるほか、継続的な温熱刺激によって毛細血管の働きや密度が改善する可能性も報告されています。
毛管運動については、ゴースト血管を必ず復活させると断定することはできません。
それでも、手足を動かし、全身の血液循環を助けることには意味があると考えられます。
私自身、心筋梗塞を経験したことをきっかけに、毛管運動、呼吸法、運動、温熱療法などを通して、長年「血流を良くすること」の大切さを学んできました。
これからも、自分自身の体験と現在の医学的な知識を照らし合わせながら、皆さまの健康づくりに役立つ情報をお伝えしていきます。
前回の記事はこちらです。
なぜ温めると血管がしなやかになるのか? 一酸化窒素(NO)が血管を守るしくみ
次回予告
「冬眠心筋とは何か? 血流が戻ると眠っていた心筋は動き出すのか」
心筋梗塞を起こした部分は、すべて死んでしまっているのでしょうか。
実は、血流不足のために動きを弱めていても、まだ生きている心筋が残っている場合があります。
これを医学では「冬眠心筋」と呼びます。
次回は、壊死した心筋と冬眠心筋の違い、血流が改善すると心筋の働きが戻る可能性について、私自身が心筋梗塞と診断されたときに聞いた話も交えながら、分かりやすくご紹介します。
※この記事は一般的な健康情報をお伝えするもので、医師による診断や治療の代わりになるものではありません。心臓病、血管疾患、糖尿病などで治療中の方は、運動や温熱療法を始める前に主治医へご相談ください。
































