
昔の温熱療法と今の温熱療法
〜なぜ私は温熱マットで施術するのか〜
こんにちは。
千歳船橋駅から徒歩30秒、祐気堂マッサージです。
前回の記事では、温めることと、ミトコンドリア・熱ショックタンパク質(HSP)・一酸化窒素(NO)との関係についてご紹介しました。
今回は、私が長年の施術経験を通して感じてきた、
「温めてから施術することの良さ」
そして、現在、祐気堂マッサージで温熱マットを使いながら施術している理由についてお話しします。
目次
40〜50年前から行われていた温熱療法
今から40〜50年ほど前、私が整体治療院で仕事をしていた頃にも、施術前に身体を温める方法が行われていました。
患者さんに一人用のサウナのような温熱設備へ入っていただき、20分近く身体を温めてから施術する方法です。
身体を温めた後は、冷えているときよりも筋肉がゆるみやすく、施術もしやすくなります。
患者さんからも、
「身体が軽くなった」
「温めてから受けると気持ちが良い」
という声を聞くことがありました。
私はその頃から、身体を温めてから施術することには、大きな意味があると感じていました。
効果を感じても、続けにくい問題がありました
ただし、昔の方法には一つ大きな問題がありました。
患者さんをサウナのような設備の中で、20分近く一人で待たせなければならなかったことです。
温まるためには、ある程度の時間が必要です。
しかし、施術を受けに来た患者さんにとって、何もしないでじっと待つ20分は意外に長く感じます。
なかには落ち着かなくなったり、
「まだですか?」
「早く施術を受けたい」
という気持ちになる方もいらっしゃいました。
身体を温めることは良い。しかし、温める時間と施術する時間が分かれているため、患者さんの負担になりやすい。
これが、昔の温熱療法の続けにくさだったように思います。
足湯やゲルマニウム手足浴の時代
その後、施術前に足湯を行い、足元から身体を温める治療院も増えていきました。
さらに、ゲルマニウム手足浴がブームになり、取り入れる整体院や治療院もありました。
手足を温める方法は、サウナよりも取り入れやすく、患者さんにも受け入れられやすい方法だったと思います。
私も、施術前に足元を温めることで、冷えて硬くなった身体を少しでもゆるめられないかと考えてきました。
しかし、足湯や手足浴にも、準備や片付け、衛生管理が必要です。
また、身体を温める時間と施術時間が別々になるという問題は残ります。
私自身が動脈硬化、不整脈、心不全になって
私が改めて温熱療法を深く調べるようになったのは、自分自身の身体に変化が起きたことがきっかけでした。
私はこれまでに、動脈硬化や不整脈、心不全を経験しています。
もちろん、病院で必要な検査を受け、医師の診察のもとで薬による治療を続けています。
薬や手術は、命と健康を守るために欠かせない大切な治療です。
その一方で、私は、
「病院での治療を続けながら、自分自身でできることはないだろうか」
「身体の血流や体調を整えるために、日常生活の中でできる方法はないだろうか」
と考えるようになりました。
調べる中で知った「和温療法」
薬や手術以外に、心臓や血管の健康を支える方法がないか調べているとき、病院で行われている「和温療法」という温熱治療を知りました。
和温療法は、一般的には約60℃の遠赤外線乾式サウナで全身を15分ほど温め、その後、毛布などで包んで30分ほど安静に保温する方法です。
慢性心不全などの患者さんを対象に、医師の管理のもとで行われてきた医療的な温熱療法です。
身体を無理に高温にするのではなく、心地よく全身を温めることで、血流や血管の働き、心不全の症状や生活の質などに与える影響が研究されています。
私が若い頃から感じていた、
「身体を温めると、施術を受けやすい身体になる」
という経験が、病院の医療現場でも研究されていることを知り、大変興味を持ちました。
長年利用してきた三井温熱療法に改めて注目
和温療法について調べる中で、私は長年利用してきた三井温熱療法に改めて注目するようになりました。
三井温熱療法では、温熱器や温熱マットなどを使い、身体を心地よく温めていきます。
そこで私は、
「三井温熱療法を使い、和温療法の考え方を参考にした温め方ができないだろうか」
と考えるようになりました。
ただし、病院で行う和温療法と、治療院で行う三井温熱療法は、使用する機器や方法、医療管理の体制が異なります。
そのため、三井温熱療法で和温療法と同じ治療効果が得られると断定することはできません。
現在は、自分自身の体温、血圧、脈拍、体調などを確認しながら、安全で心地よい温め方を研究している段階です。
なぜ温熱マットの上で施術するのか
現在、祐気堂マッサージでは、温熱マットの上に寝ていただき、身体を温めながら施術を行っています。
この方法には、昔の温熱療法にはなかった大きな利点があります。
- 温めるために別室へ移動する必要がない
- 一人で長い時間待つ必要がない
- 横になった楽な姿勢で温められる
- 温めながら、そのまま施術を受けられる
- 温度を調節しながら使用できる
つまり、昔のように、
「まず20分温めて、その後に施術する」
のではなく、
「温めながら施術する」
ことができるのです。
患者さんにとって待ち時間が少なく、施術者にとっても身体の状態を確認しながら温度や施術内容を調整しやすい方法です。
温めることで、施術を受けやすい身体へ
身体が冷えていると、筋肉や関節まわりの組織もこわばりやすくなります。
その状態で強い力を加えても、身体は緊張し、かえって力が抜けにくくなる場合があります。
温熱マットの上でゆっくり身体を温めながら施術すると、患者さんも安心して横になりやすく、身体の力を抜きやすくなります。
私は、力任せに押すのではなく、身体が自然にゆるみやすい環境を整えてから施術することが大切だと考えています。
温熱マットは、そのための大切な道具の一つです。
昔の知恵と今の技術をつなぐ
振り返ると、40〜50年前のサウナのような温熱設備、足湯、ゲルマニウム手足浴、そして現在の温熱マットへと、身体の温め方は少しずつ変化してきました。
しかし、根本にある考え方は変わりません。
身体を温め、血の巡りを支え、柔らかく動きやすい身体を目指すこと。
昔の方法には、温めることの良さがありました。
今の温熱マットには、その良さを残しながら、待ち時間を減らし、温めながら施術できる利点があります。
私は、昔の経験を大切にしながら、現在の三井温熱療法とマッサージ、そして30年以上続けてきた操体法を組み合わせ、より身体に負担の少ない施術を目指しています。
私自身の身体でも確かめながら
私は施術者であると同時に、動脈硬化、不整脈、心不全と向き合う一人の患者でもあります。
だからこそ、温熱療法について、本で読んだ知識だけではなく、自分自身の身体でも確かめながら研究を続けています。
温めた日の体調はどうか。
体温、血圧、脈拍はどのように変化するか。
身体の柔らかさ、歩きやすさ、睡眠、疲れ方には変化があるか。
小さな変化を記録しながら、自分にとって無理のない方法を探しています。
私は患者さんだけでなく、自分自身の身体でも、より良い温め方を研究しています。
祐気堂マッサージが目指す身体
祐気堂マッサージが健康づくりの目標としているのは、
温かく・柔らかく・血色の良い身体へ。
ということです。
温熱療法だけですべての病気が治るわけではありません。
しかし、病院での治療を大切にしながら、身体を冷やしすぎず、心地よく温め、毎日の健康づくりに役立てることには意味があると考えています。
これからも昔の知恵と今の技術をつなぎ、患者さん一人ひとりの身体に合わせた、心地よい施術を追求していきます。
温熱療法を受ける際の注意
心臓病、心不全、不整脈、動脈硬化、高血圧、低血圧、糖尿病などで治療中の方は、自己判断で強い温熱療法を行わず、必ず主治医にご相談ください。
体調や服薬内容によっては、温熱による血圧低下、脱水、動悸、めまいなどに注意が必要です。
祐気堂マッサージで行う温熱マットを使った施術は、病院で医師の管理下に行われる和温療法と同一の医療行為ではなく、病気の診断や治療に代わるものではありません。
参考資料
- 和温療法の歩みと今後の展開
- 和温療法:心不全に対する革新的治療
- Waon therapy improves the prognosis of patients with chronic heart failure
祐気堂マッサージ
小田急線・千歳船橋駅から徒歩30秒
毎週木曜日定休
































